これまでは腸内細菌を、アクチノバクテリア門、プロテオバクテリア門、ファーミキューテス門、バクテロイデテス門という4つの大きなグループでみてきました。
これらグループは以下のように更に細かく分けることができます
ラクトバチルスや、ビフィドバクテリウム、フィーカリバクテリウム、クロストリジウムというのは(属)レベルでの呼び方です。
今回は属もしくは種という細かいレベルで細菌を見てゆきます。後ほど詳しい推移も示します。
ラクトバチルス、ラクトコッカス、エンテロコッカス、バチルスなどです。ビフィズス菌や酪酸菌と大きく異なり、酸素下でも活動できるので、口腔内から小腸にかけてと膣(一説には子宮内)など酸素の届く部位に棲息しています。数だけでみると少なく劣勢といえますが、棲息場所の違いや免疫からみるとオンリーワンの働きがあり、とても重要性が高いです。ビフィズス菌や酪酸菌とは全く別枠で考えたほうがよいです。
大腸内に棲む乳酸・酢酸産生菌です。優勢の善玉菌で、長寿者の腸内に多いので【長寿菌】とも呼ばれます。大うつ病患者で本菌が低下しています。パーキンソン病の病状が悪くなる群で本菌が少ないことが確認されています。大腸がん粘膜内がんの病期で減少が確認されています。
乳酸・酢酸産生菌です。良い働きをしているものと思われますが、研究不足のため今後の研究を要します。「コリンセラ 名古屋大学」でGoogle検索すると興味深い情報が出てきます。
大腸内に棲む、酪酸菌です。誰の腸内にもいて最優勢を誇る酪酸菌です。長寿者の腸内に多いので長寿菌とも呼ばれます。腸粘液層で多くみられます。抜群の抗炎症作用をもち、次世代善玉菌のエース格です。炎症性腸疾患(IBD)患者のフローラで本菌の低下が観察されています。クローン病で減少しています。多発性硬化症の糞便中に本菌が少ないことが見出されています。アトピーのリスク低下の関連が示されています。
大腸内で優勢を誇る酪酸菌です。抗炎症作用があります。長寿菌とも呼ばれます。「うつ病患者の腸内で本菌が少ない」という海外の報告があります。
大腸内で優勢を誇る酪酸菌です。マウスの実験で動脈硬化を抑える、Tレグを誘導し免疫に影響するという報告があります。不妊症群で本菌が減少していたという報告があります。
大腸内で優勢を誇る酪酸菌です。長寿菌とも呼ばれます。大腸がん粘膜内がんの病期から進行大腸がんに至るまでで減少が確認されています。
大腸内で比較的優勢を誇る酪酸菌です。ムチン(腸粘液)で増殖することから腸粘液層で、酪酸を産生していると考えられます。
大腸で比較的優勢を誇る酪酸菌です。Tレグに影響を与えアレルギーを抑えるという報告があります。多発性硬化症で本菌の有意な減少が観察されました。
宮入近治博士により発見された酪酸菌です。10~20%程の人の腸内にしか見られない劣勢菌です。本菌は善玉菌であり、医薬品として販売されています。
日本人に特有で100%検出される酢酸・乳酸産生菌です。内臓脂肪が少ない人ほど本菌が腸内に多いとの報告があります。腸内で産まれた酢酸には肥満防止効果があります。
プロピオン酸産生菌です。「うつ病患者で本菌が少ない」という海外の報告があります。アトピーのリスク低下と関連することが示されています。
日本人には稀な菌です。ムチン分解菌。肥満、糖尿病、腸管免疫に関与します。腸粘液分泌を促進させ腸バリア機能を高めます。
ヤセ菌と呼ばれます。酢酸と酪酸を生産します。
「E.コリ」と呼ばれ、大腸菌の代表です。
食中毒菌です。
「ウェルシュ菌」と呼ばれる、悪玉菌の代表です。
ボツリヌス中毒をひきおこします。
感染症をひきおこします。
大腸がんの指標とされています。歯周病菌で食道がんにも。肥満菌。便秘菌。
肥満菌。
肥満菌。
便秘関連菌。
食中毒菌。