「酪酸菌(らくさんきん)」というのは、腸内で酪酸を産生する細菌群の総称です。ですから酪酸菌にも、フィーカリバクテリウム属(フィーカリ菌)、コプロコッカス属、ラクノスピラ属、ロゼブリア属、ブチリシコッカス属、アナエロスティペス属、ブチリシモナス属、メガモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム・ブチリカム種など多数存在します。
「酪酸菌(らくさんきん)」というのは、腸内で酪酸を産生します。腸内で酪酸が産まれた場合、その酪酸が私たちの健康にとって有利に働くからです。つまり酪酸菌の産み出す酪酸に良い働きがあるということです。
「酪酸菌」というのは、未精白穀物や野菜、果実、豆、種実、きのこ、海藻を中心とした日本古来の食生活に変えることで、自然に増えるものです。酪酸菌とは様々な種類の細菌群の総称ですから、食事によって様々な菌をバランスよく増やしたほう良いでしょう。
の2つの方法があります。
生菌を摂り入れる(プロバイオティクス)方法としては、【クロストリジウム・ブチリカム】という酪酸菌の生菌が、医薬品やサプリメントとして販売されています。クロストリジウム・ブチリカムを摂取することでクロストリジウム菌種を増やすことができることは、実際に私の腸内で検証済みです。
しかしながらクロストリジウム・ブチリカムは、日本人に多い菌ではありません。また酪酸菌の特徴として、食物繊維やオリゴ糖を原料として「酪酸」を産み出しますから、腸内にそれらが無ければ活躍することはできません。そのため私はクロストリジウム・ブチリカムを単独で補うだけでは、効率が良いとは思いません。
フィーカリバクテリウム(フィーカリ菌)、コプロコッカス、ロゼブリア、ラクノスピラなどは、ほとんどの日本人の腸内で検出されるうえ、優勢を占める「強い酪酸菌」です。なるほど長寿者の腸内でこれらの菌が多く検出されるのも道理があるといえましょう。「これらの菌が増えたほうが効率が良いとともに、腸内フローラのバランスとして自然なのではないか。」と私は個人的に考えるのです。残念ながらこれらの菌には、生菌(プロバイオティクス)の販売がございません。つまりこれらを増やそうと思ったら、エサもしくは食事しかないのです。
私のフローラにおける酪酸菌の変化を私の腸内フローラで検証してみました
11月30日の私の腸内フローラ検査結果では10月15日のそれと比較して、酪酸菌が総数として24%から32%に増加していました。個別に見るとフィーカリバクテリウム、コプロコッカス、ラクノスピラ属、ブチリシコッカスが増加していました。
1月9日の腸内フローラ検査の結果では11月30日の結果と比べて、酪酸菌が総数として32%から26%に減少していました。つまりTotalFloraを飲み始める前の10月15日の結果に近くなりました。特にフィーカリバクテリウム、コプロコッカスといった主力の酪酸菌の減少は大きかったです。唯一クロストリジウム菌だけは、有意に増加していました。
問題なのは、私の腸内で11月30日まで育てられていたフィーカリバクテリウム、コプロコッカス、ロゼブリア、ブチリシコッカス、アナエロスティペスという、ほぼ全ての優勢酪酸菌が減少してしまったことです(全敗に近いです)。いくら生きたクロストリジウムを摂り入れて、クロストリジウム(酪酸菌)が2.58%増えたとしても、育ててきた酪酸菌が8.22%減ってしまっていたのでは、相殺されてしまいます。しかもフィーカリバクテリウムやコプロコッカス、ロゼブリアなどは優勢菌でとても強くて期待のかかる菌が減ったのは痛いです。
全敗の様相を呈した中で、唯一気を吐いて増加していたのはクロストリジウム菌でした。生きたクロストリジウム・ブチリカムを飲用していたので当然の結果とは言えます。このことからクロストリジウム・ブチリカムの経口摂取で、無事腸まで届くことは確認できました。クロストリジウム・ブチリカムの経口摂取に、意味があることがわかりました。
結果的には食生活を基本としたうえで、両方をうまく採り入れることがよいのではないでしょうか。