「陽性食品」、「温性食品」という言葉があります。
どちらも体を温めるタイプの食品という意味でしょうか。
ただこの意味をしっかりと理解して混同しないように気を付けなくてはなりません。
しかしながら「陽性食品」と「温性食品」はそれぞれ意味合いが異なります。
「陽性食品」というのはマクロビオティックや東洋医学系の方たちが使用する用語です。
一方で「温性食品」というのは中国医学、中国漢方、中国薬膳、日本漢方で使用する用語です。
マクロビオティックや東洋医学と、中国医学・漢方とでは考え方が違いますので、
これらの意味も異なります。
なぜこのような細かいことを言うかというと、
それぞれ食材の区分まで変わってきてしまうからです。
例えば
「冬は体を温めるために陽性の根菜類を食べましょう。」
などというフレーズは1度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
この場合の根菜というのは、大根やごぼうなどが挙げられます。
マクロビオティックや東洋医学系の考え方からすると、大根やごぼうは体を温める「陽性の食材」とされているのです。
ところがです、
中国医学、中国薬膳、中国・日本漢方による区分では、
それぞれ「寒性」の食品ということで、体を冷やす食品に区分されます。
インターネットや雑誌などを見ていると、
時々それを混同していて誤った情報を載せているものもあるのです。
生姜やニンニクは体を温める食材であることは、周知の通りだと思います。
「温性」の食材でありつまり中国医学、中国薬膳、中国・日本漢方の立場に立った区分です。
ところがマクロビオティックや東洋医学系の区分ですと
「陰性」といって体を冷やす食べ物です。
マクロビオティックを行われている方は、生姜、にんにくは陰性だから体を冷やすということであまり食べません。だからマクロのレシピの中に、生姜、ニンニクは登場しないでしょう。
生姜で体を温めるのは、中国医学・薬膳の立場にたった話です。
この立場がブレるとすべてがごちゃごちゃになってしまって、全く意味を為さなくなります。
それでも
「生姜は体を温めるので食べたほうが良い。」といいつつ、
「根菜類は体を温めるので食べたほうが良い」という人が、専門家の中にもいるわけです。
「あたなたは一体どちらの立場でしゃべっているの?」と意味不明な人がよくいるので、要注意です。
お気をつけください。