• 腸内環境-温熱-食事療法-腸活-温活に取り組み30年以上 グリーンポプリ株式会社代表後藤洋のブログ 理想的な腸内フローラを目指して実践を続ける

「どのような腸内環境を構築したいのか?」京丹後市の腸内フローラからみるひとつのヒント

「どのような腸内環境を構築したいのか?」

その一つの目安となるのが、長寿者の腸内フローラであろうかと思います。長寿者の腸内フローラ研究の第一人者として挙げられるのは、光岡知足先生です。最近では辨野義己先生、内藤裕二先生らが挙げられます。

長寿者の腸内フローラの特徴

諸氏の見解を俯瞰してみると、長寿者特有の腸内フローラの特徴として、●ビフズス菌、●酪酸菌(ファーミキューテス門、ラクノスピラ科)の菌が多く、●悪玉菌(プロテオバクテリア門)が少ないという点に、共通項を見出すことができると思います。

ですから私は「長寿者の腸内フローラを目指して行こう!」と考えました。

食物繊維の多い食事が長寿者特有の腸内フローラを形作る

長寿者の腸内になぜこのような菌が多いかというと、食生活のなかに善玉菌が好むエサが多く含まれているからに他なりません。つまり野菜や海藻豆類、きのこなど食物繊維の摂取量が多いことで、これらの菌を育てているのです。都市化、近代化が進むにつれこの食生活が崩れ、腸内フローラも変容してきました。

健康食品で長寿者のフローラに近づけたい

長寿食こそが良い腸内フローラを築き上げるのですが、現実問題そのような食生活を行なえる人たちは限られていることでしょう。だからこそ長寿者も限られているのです。そこで「サプリメントでサポートすることが出来ないか?」というのが、私の目指す目標となりました。

 それに自身の腸内フローラ検査をしてわかったことですが、私は野菜など食物繊維の摂取量は多いほうなのですが、それでも食生活だけではビフィズス菌や乳酸菌は増えませんでした。「良い食事って極めて難しいな」と痛感しました。そこでより一層サプリメントの重要性を認識しました。

理想の腸内フローラを目指すうえで参考となる研究があります

長寿者の腸内フローラの組成を調べた研究があります。長寿地域の高齢者の腸内フローラを知ることができますので、以下にご紹介いたします。「京丹後長寿コホート研究」の一環として、京都府立医科大学准教授の内藤裕二先生らによって行なわれた研究です。この研究は京丹後市を郊外とみたてて反対に都市部である京都市の人たちの腸内フローラとの違いを調べることで、都市化が腸内フローラに与える影響と長寿に与える影響を調べたものです。

【論文】J Clin Biochem Nutr. 2019 Sep;65(2):125-131. doi: 10.3164/jcbn.19-26. Epub 2019 Aug 9.

京丹後市は百歳長寿者が、全国平均の約3倍もいる≪長寿エリア≫です。

人口10万人あたりの百歳長寿者の数

  • 京丹後市 130~140人/10万人
  • 京都市 70人/10万人

~論文内容の要約~

京丹後市は長寿者の多い地域の一つです。京丹後市は京都府北部にある地方都市だ。都市化と腸内フローラの多様性、機能性を理解するために、京丹後市と京都市を比較しました。京丹後市と京都市のそれぞれ51人を対象に、年齢別、性別に調べました。

京都市と京丹後市からみた都市化が腸内フローラに与える影響と長寿に与える影響
京都市と京丹後市からみた都市化が腸内フローラに与える影響と長寿に与える影響

【結果】

【門】(phylum)レベルでは、都市化によってファーミキューテス門の数が減少して、バクテロイデテス門、プロテオバクテリア門が増加していた。(※門とは大きな区分)

【属】(genus)レベルでは、都市化によってロゼブリアとコプロコッカスを含むラクノスピラ科に顕著な減少が見られ、バクテロイデス、オシロスピラ、パラバクテロイデス、ルミノコッカス属に顕著な増加が見られた。(※属とは小さな区分)

腸内細菌の代表的な4グループ(門) ポプリ健康法 腸内環境デザイン フローラデザイン
腸内細菌の代表的な4グループ(門) ポプリ健康法 腸内環境デザイン フローラデザイン

~本論文の要旨のなかで私の目指す方向性~

  • ファーミキューテス門(酪酸菌 ロゼブリアとコプロコッカスを含むラクノスピラ科、乳酸菌を含む)を増やす方向性を志向。
  • バクテロイデテス門は減らす方向性を志向(ビフィズス菌、酪酸菌が増えれば必然的に減ることになる)
  • プロテオバクテリア門(悪玉菌)は減らす方向性を志向。