• 腸内環境-温熱-食事療法-腸活-温活に取り組み30年以上 グリーンポプリ株式会社代表後藤洋のブログ 理想的な腸内フローラを目指して実践を続ける

腸内フローラ(腸内細菌叢)の特徴をつくり上げるのに最も大きい要素は何か?

腸内フローラ(腸内細菌叢)の個性は如何にしてうまれたのか?

私たちの腸内フローラ(腸内細菌叢)は、人それぞれであり様々な個性があります。この個性は如何にして生まれたのでしょうか。例えば長年の食習慣により築きあげられたものなのでしょうか。この疑問を解くカギとして、面白い研究があります。

12か国のヒト腸内細菌叢データの比較解析

 早稲田大学理工学術院先進理工学研究科の服部正平教授と東京大学大学院新領域創成科学研究科の西嶋傑博士課程学生らを中心とする共同研究グループは、日本人を含めた12カ国のヒト腸内細菌叢データの比較解析を行い、腸内細菌叢の菌種組成が国ごとで大きく異なることや日本人の腸内細菌叢の特徴を明らかにしたのです。

バクテロイデテス、プレボテラ、ビフィズス菌、ブラウティアが腸内フローラの大枠を形作っています。

 人の腸内フローラ(腸内細菌叢)は1000種類以上におよぶ腸内細菌で構成されています。しかしながらこれらが均等に存在しているわけでなく、一部少数の菌が大勢力を占めていてほとんどの菌は極少数派という大きな偏りがあります。ですから大きな勢力を占めている菌で括ると、おおまかな特徴をつかむことができます。その腸内フローラにおいて大勢力を占める菌は、バクテロイデテス(属)、プレボテラ(属)、ビフィズス菌(属)、ブラウティア(属)です。これらの菌が腸内フローラの大枠を形作っています。

国別の腸内フローラの3つの大きなグループ

服部正平先生らによる世界12カ国の腸内フローラの国別比較(2016年)では、

  • プレボテラ(Prevotella)が多い…マラウィ・ヴェネズエラ・ペルー
  • バクテロイデス(Bacteroides)が多い…アメリカ・中国・デンマーク・スペイン・ロシア
  • ビフィズス菌(Bifidobacterium)が多い…スウェーデン・フランス・オーストリア・日本

と、大きく3つのクラスタに分かれることがわかりました。

さらに詳しくみると日本人はビフィズス菌とブラウティア属菌、バクテロイデス属菌という3つの菌が多いことがわかりました。

これまでは食生活の違いが腸内細菌叢をうむ

〇〇菌が〇〇病の原因になる

という考え方が一般的でした。

もし食生活の違いが腸内細菌叢を作っているのであれば、同じような食生活を行なっている国の人たちの腸内細菌叢は一致しなければなりませんが、バラバラでした。

さらに菌が病気を限定するのであれば、同じ菌を持った人たちは国が違っても同じ病気にならないといけないですが、ほとんど一致しないそうです。さらに同じ病気であっても、国ごとに菌叢は違ったといいます。同じ菌であってもアメリカ人にとっては良い菌であっても、日本人にとっては悪い菌である可能性があるのです。アメリカ人にとってはデブ菌であっても、日本人にとってはヤセ菌であることも考えられるのです。

腸内フローラ(腸内細菌叢)の違いは国の違いによる影響が大きい

つまり食生活の違いよりも病気の違いよりも何よりも、腸内細菌叢に大きな影響を与える要素があったのです。それは国の違いです。腸内フローラ(腸内細菌叢)は食生活や病気の違いよりもむしろ、国の違いに大きな影響を受けるのです。

私自身で行なっている≪食生活による腸内細菌叢の推移≫の実験でも同じ傾向がみてとれます

このことは現在私が行なっている≪食生活による腸内細菌叢の推移≫の実験でも同じ傾向が表れています。私の2年以上におよぶ腸内フローラ検査の変遷をグラフに表しました。私の腸内フローラ(腸内細菌叢)におけるおよそ2%以上を占める優勢な菌属毎に色分けしたものです。

食生活や健康食品の違いで確かに腸内フローラは変わっているものの…

期間中で意図的に食生活を変えており、飲用する健康食品も変えています。期間中で腸内フローラ(腸内細菌叢)は変わっています。特に健康食品の飲用法の違いによっては、とても大きく腸内フローラ(腸内細菌叢)は変わっています。

特にビフィズス菌は健康食品の飲用法によって大きく増減する

特にビフィズス菌や酪酸菌、悪玉菌において大きな増減が見てとれます。確かに腸内フローラ(腸内細菌叢)は変わると言えます。

私の腸内細菌叢(腸内フローラ)の変遷 ポプリ健康法 グリーンポプリ
私の腸内細菌叢(腸内フローラ)の変遷 ポプリ健康法 グリーンポプリ

毎回総じて同じメンバーが増減しているだけ

ただ色分けされたメンバーを見てみると、全回を通じて総じて同じメンバー(色分け)がいることがわかります。

私の腸内フローラの中でバクテロイデスやフィーカリバクテリウムやブラウティアが強いことには変わりはない

私の腸内フローラ(腸内細菌叢)の特徴的には、バクテロイデス属菌とフィーカリバクテリウム属菌、ブラウティア属菌が最上位を占めるという特徴があるのですが、これは総じて変わっていません。時々ビフィズス菌が最上位にくることがありますが、これは健康食品の飲み方と有意に関連しています。ビフィズス菌は、健康食品の飲用で増えやすい菌だということでしょう。つまり似たようなメンバーのなかで増えたり減ったりしているだけなのですね。

腸内フローラが180度変わるわけではない

私の腸内にはプレボテラ属菌がほぼ0に近いほどいないのですが、この推移は食生活が変わっても変わることはありませんでした。劣勢な菌が増えて腸内フローラ(腸内細菌叢)が180度根本的に変わるわけではないのです。

となると食生活以前に腸内フローラ(腸内細菌叢)を限定する要素があるはずです

ということは食生活以前に、腸内フローラ(腸内細菌叢)を限定する要素があるはずです。食生活が後天的に腸内フローラ(腸内細菌叢)を変える一つの要素だとしたら、それよりも前に先天的に決めている要素があるはずです。それが国や更には地域の違いなのではないでしょうか。日本人は日本人の腸内フローラ(腸内細菌叢)だということ。日本人は日本人の腸内細菌叢を見なければ役には立たないかもしれません。