ビフィズス菌と酪酸菌は外から摂り入れるよりも、自分のお腹にいるものを増やしたほうがよいと思います。
実際自社の健康食品を多数飲用していた私が2020年秋に行った腸内フローラ検査では、ビフィズス菌と酪酸菌が軒並み平均値を大幅に上回っていました。
腸内細菌研究の権威である辨野義己先生によると、長寿村のご長寿たちに共通する腸内細菌は、
であり、これらを「長寿菌」と名付けたそうです。そして長寿者の腸内では、これら長寿菌が40~60%を占めるそうです。
私自身の腸内フローラ検査においてはビフィズス菌が約18%、フィーカリ菌が約17%、ラクノスピラが1.6%いたわけですから、これらを足すと丁度36.7%になります。40%まで約3%程度足りませんでしたが、十分な長寿菌がいました。
昨年の秋までは自社健康食品は多数飲んでいたものの、ビフィズス菌や酪酸菌の生菌(プロバイオティクス)サプリメントは飲んでいなかったので、健康食品摂取によるプレバイオティクス効果(善玉菌のエサを摂り入れること)により、私のお腹の中にいるビフィズス菌および酪酸菌(フィーカリ菌、ロゼブリア)が増殖したものと推察します。
だから「ビフィズス菌って意外と簡単に増えるんだな。」と思いました。プロバイオティクスで外から生のビフィズス菌を摂り入れるよりも、プレバイオティクス(善玉菌のエサを摂り入れること)によりエサを入れたほうが簡単に増えるんだろうな。
大腸内細菌が100兆個だとしたら、18%って18兆個のビフィズス菌になるわけです。
「生きたまま腸まで届けるとか言って腸溶カプセルを使用したってどうやって18兆個も増やすの?」って感じでしょう。それよりもエサを与えて増やしたほうが増えますよね。
酪酸菌(らくさんきん)にしたってそうです。酪酸菌というのは私たちの腸内で酪酸を産み出す菌の総称で、フィーカリ菌(フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium prausnitzii))、ロゼブリア、コプロコッカス、ラクノスピラ、アナエロスティペス、クロストリジウム属のうち一部の種(クロストリジウムは悪玉菌の代表でもあるので注意)など沢山の菌がいます。
現在生きた酪酸菌サプリメントとして購入できるのは、宮入菌といって「クロストリジウム・ブチリカム」しかありません。でもこの菌は10~20%の人にしか検出されない少数菌です。フィーカリ菌やコプロコッカス、ロゼブリア、ラクノスピラなどもっと優勢な酪酸菌がいるのです。クロストリジウム属もバランスよく増えたようがよいと思うのですよね。
酪酸菌の場合、酪酸菌そのものがいいというよりも、酪酸菌が腸内で食物繊維やオリゴ糖を食べた際に生産する「酪酸」がよい働きをするということが重要です。
ということはどういうことかというと、「酪酸菌だけを摂り入れたとしても、腸内に食物繊維がなかったとしたら酪酸」は産み出されない。」ということです。酪酸が産み出されなければ酪酸菌を摂っても意味が無いということ。
それにそもそも腸内に酪酸菌が少ない人の場合、なぜ酪酸菌が少ないのかを考えると、食生活の中で野菜の摂取が少ない、つまり食物繊維不足だという点にあります。もともと腸内に食物繊維が少ないのだから、仮に酪酸菌を摂ってもエサが無い。十分な活躍もできずに排便行きということになります。
それなので酪酸菌を摂る際には、食物繊維やオリゴ糖も同時に摂ることは必須なのです。でも食物繊維やオリゴ糖を摂っていれば、自動的に酪酸菌も増えるわけですから。
結局酪酸菌は、摂り入れるよりも増やしたほうがよさそうです。私の腸内フローラ検査でも明らかでした。