私は2020年11月5日に腸内フローラ検査を行いました。その中でとても興味深いことに気が付きました。
その検査の中で上位を占める2属(属は種よりも大きなくくり)はビフィズス菌(善玉菌・長寿菌)が18%、次にフィーカリ菌(善玉菌・長寿菌)が17%で優位を占めました。上位10種(属よりも細かいくくり)では、善玉菌が7種、日和見菌が2種で、悪玉菌が1種でした。
その中で唯一カウントされた悪玉菌はalbertii(アルベルティ)菌という菌でした。調べると2003年に発見された食中毒をおこす菌でした。大規模な食中毒事件も起きていて、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などがあるそうです。その後の検査では全く検出されていないので、たまたま入り込んだ菌なのでしょう。それにしても4.47%で順位も7位ですからとても大きい数です。よく増殖しなかったものです。
そもそもこれから腸内フローラ検査をやろうというときに、お腹が痛くて、下痢していて、絶不調の時に採便しようなんて思いませんよね。だから自分としてはむしろ調子がよくて便もいいだろうなみたいなときに採便しているのです。だからこそビフィズス菌が18%もいたのでしょうけれども。
どう考えても悪いものを食べた記憶はなく調べてみると、アルベルティ菌は鳥獣の糞から検出されるそうです。そういえば私の野菜も金柑にも鳥の糞がついているのをよく見かけます。金柑はよくヒヨドリがつついています。私の野菜・果実は無農薬なので。あの時期食べていたものを考えるとトマトか生野菜かな。サラダで食べている場合、水洗いしたくらいでは雑菌はとれないということか?
でも無農薬野菜サラダを食べている人なんて、沢山いるはず。その方たち全員がアルベルティ菌が入ってもおかしくない。むしろこれくらい身近に食中毒菌が体に入ってくるということは考えられないでしょうか。それでも無症状かもしくはちょっと下痢するくらいで済んでいて、気が付かないとか。でも糞便検査をするわけではないので、気が付かない。
検査時私の腸内で上位を占める2属はビフィズス菌(善玉菌・長寿菌)が18%、次にフィーカリ菌(善玉菌・長寿菌)が17%で優位を占めていました。上位10種では、善玉菌が7種、日和見菌が2種で、悪玉菌が1種でした。
そして1位~10位のうち7種は、乳酸、酢酸、酪酸を産生する菌だったのです。ビフィズス菌は腸内で酢酸や乳酸を産生し腸内を酸性化して、ウイルスや病原菌の増殖を抑えたり悪さをできない環境をつくります。酪酸菌は腸内で酪酸を産生し、腸内で産生された酪酸にはウイルス感染防御の働きもあります。ビフィズス菌や酪酸菌を含めた総合的な腸内フローラのおかげで、食中毒菌が悪さもできずに抑え込まれてしまったということなのでしょうか?。
以前私は配布させていただいている資料の中で「食中毒菌が入り込んだとしても腸内フローラがよければ感染しにくい。」という文章を記したことがあります。でもそれは自分が実際に体験したわけではありませんので机上の理論といえばそのとりです。今回まさか自分のお腹でそれを実証することになるとは、思いもよりませんでした。意外に身近で食中毒菌って入り込むのですね。でも理論通り「食中毒菌が入り込んだとしても、腸内フローラ次第で感染が抑えられることがある」ということが実証されたのです。腸内フローラの可能性を、あらためて感じた次第です。