「デンプンの摂取を止める。主食を抜き、肉を食べる」。
炭水化物の摂取を止めて肉で代替する、というような暴論を説く人がいます。
ポプリ健康法においては長年にわたり培われてきた慣習から鑑みて、不自然なことは避けるということを鉄則としています。
デンプンは麦芽糖を経て最終的にブドウ糖となり吸収されます。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であり、体中の筋肉で代謝することのできる非常に効率的なエネルギー源だからです。
炭水化物の摂取を止めて肉で代替するということは、デンプンをタンパク質に置き換えることを意味します。果たしてタンパク質はデンプンの代替となるのか?そのためにはデンプンとタンパク質の違いを知る必要があります。
タンパク質というのは、体の構成要素です。でも人間というもの、食物が入ってこなくて飢餓状態に陥ることもあります。その場合、タンパク質を分解してエネルギー源に作り変えるというようなサイクルが存在します。実はこの仕組み、停電したから非常用電源から電源をとりだすということに近い、非日常的な代謝経路です。
糖質はC(炭素)、H(水素)、O(酸素)の化合物です。
脂質もC(炭素)、H(水素)、O(酸素)の化合物です。
タンパク質はC(炭素)、H(水素)、O(酸素)、およびN(窒素)もしくはS(硫黄)の化合物です。
N(窒素)もしくはS(硫黄)を外せば、糖に作り変えることができます。こうしてタンパク質はエネルギー源として利用することができます。
しかしながらタンパク質から糖を作る際には、必ず窒素(N)の残骸(ゴミ)が生じます。窒素(N)化合物というのは毒物が多いのです。
タンパク質を分解するとアンモニアという毒物が産生することとなります。アンモニアはそのままだと毒なので、肝臓において無害な尿素に作り変えて排出されます。
つまりタンパク質からエネルギーを得るためには、
「体内毒の産出⇒毒の無害化」という面倒くさい過程を経なくてはなりません。
肝臓にとってみれば仕事が増えて増えて大変です。
肝臓は疲労します。
それに肉を食べ過ぎて毒が産まれるのは肝臓だけではありません。腸内細菌によって腸内でも体内毒素は産まれています。肉を食べた後の臭―いおなら。それこそアンモニアや、ニトロソアミン、スカトールなどの毒素が産まれている証拠です。しかもおならが常時臭いということは、常時毒が出続けているということです。これらも血中に吸収されて肝臓で無害化ないといけないのです。
肝臓も過労になってしまいます。