ここ伊豆では6月の初旬より桑の実がなり始め、今そろそろ終わりかけようとしています。桑の木というのは非常に強い植物で、ここ伊豆ではありとあらゆるところから生えてきます。そしてどんどん繁殖してゆくので、早めのうちに根っこから抜いていないとえらいことになります。幹の途中からのこぎりで切っても切ってもどんどん脇芽がでてきて枯れることはありません。
そうはいっても桑は実も、樹皮も、葉も中国医学で漢方薬になります。造血となり、肝臓や腎臓によく、糖尿病にもよく、腸を潤すとても体を滋潤してくれる食品です。
【性味】甘/寒
【帰経】心・肝・腎
桑の実マルベリージャムを作る
そのため桑の実でジャムを作りました。桑の実ジャムを作るのはある意味手間がかかる部分がありまして、実の真ん中に1本軸が通っているので本当であればこれを抜いたほうが、きれいに仕上がります。ところがこの軸は親指と人差し指の爪でしっかりと抑えて引き抜かないと抜けないもので、これを1粒1粒行うのには膨大な時間がかかります。それに指先がアントシアニンというポリフェノール色素で真っ黒になります。それなので見た目は悪くとも軸をつけっぱなしにしておいたほうが楽。
桑の実にはペクチンという水溶性食物繊維が豊富に含まれています。ペクチンが少ない果実では、ペクチンを添加しないと固まるまで煮込むのが面倒なため添加してお手軽に固めてしまいます。しかしながら桑の実はペクチンがとても多い。そのために込んでいるだけであれよあれよといううちに粘り気がでてきます。というよりも生の桑の実を触っているだけでもネバネバしています。
腸活にペクチン
ペクチンは添加物だと思っている方は多いかと思いますが、実はペクチンは相当優秀な水溶性食物繊維で、腸活食材です。ペクチンはほぼ100%腸内で腸内細菌のエサとなり善玉菌を育てます。ちなみに水溶性食物繊維として有名な難消化性デキストリンの場合、資化性(腸内細菌のエサとなる割合)は50%以下です。難消化性デキストリンの倍、腸内細菌のエサになるということです。