私は父との闘病の中で、そしてこのお店での経験を通じて、「病気というのは老化の終末だ。ということを知りました。ガンでも糖尿病でも腎臓病でも、脳・循環器系疾患であったとしても、これらはすべて同じところに根本原因があります。つまり「老化」です。
ガンであれば腫瘍ができたところを切ったり、焼いたりします。そして腫瘍が無くなったところで果たして病気は完治したのか?という疑問がわいてきます。ガンというのは腫瘍そのものが悪いのではなく、それを作るに至ったガン体質にこそ問題がなるのではないかと考えるのです。そしてその体質を作ったのは、私たちの生活習慣ということになります。
ガンが好む3要素は「低酸素」、「低体温」、「高血糖」だといいます。ガンはインフルエンザのように突然なったのではなくて、前々から気づきもしない前段階があったはずなのです。例えば日ごろから血流が悪く、常に冷え性・低体温で低酸素状態であったり。甘いものが好きで、常に高血糖で糖尿気味であったりなど。こうした延長上でガンに至ったととらえるわけです。つまり冷え性・低体温や血糖値が高いなど、ともすればあまり重要視されない私たちの今この日常の中に、ガンの芽は生まれているということなのです。このガンの芽はすなわち「老化」であって、ガンだけではなく糖尿病や腎臓病、高血圧、心臓病、脳梗塞などの原因でもあるのです。先ほどの疑問の私なりの答えになりますが、ガンは腫瘍がなくなったからと言って完治したわけではなく、体の老化をとって若返ってこそ本当の完治につながると考えております。
「ガンや糖尿病、腎臓病、高血圧、心臓病といった個別の病名から離れて、老化と闘うことこそ本質だ」と思いました。だからこそ私は「老化」を制して、「抗老化(アンチエイジング)」の方法を模索するに至ったのです。
ひとこと「老化」とは何でしょうか。例えば、顔色が悪くなった、肌がくすむ、肌が荒れる、しわが増えた、張りがなくなった、シミが増えた、白髪が増えた、筋力が衰えた、骨が弱くなった、体が硬くなった、体温が低くなった、消化機能が落ちた、免疫力が落ちたなどは老化の典型的な表れだと思います。
肌状態を例に老化を考えてみます。肌荒れやくすみ、シワ、張りというのは、肌細胞の新陳代謝が低下して肌細胞の鮮度が保てなくなったことからおきている現象です。赤ちゃんの時は真っ赤っかで艶々の肌でした。それがなぜ肌細胞の新陳代謝が低下して、肌細胞の鮮度が保てなくなるのでしょうか。それは加齢とともに肌細胞に酸素や栄養が届かくなったり、老廃物が排出されなくなったりするためです。ではその酸素や栄養を届けて、老廃物を排出しているのは何でしょう。血液です。
例えばお風呂に入ったりサウナに入ったりして温めると、お肌の調子は良くなるでしょう。運動をすると、やはりお肌の状態がよくなるでしょう。それどころか様々な部分で体の状態がよくなることでしょう。でもそれは当然のことです。なぜなら血流がよくなるからです。私たちの体は60兆個におよぶ細胞の集合体です。それらを滋養しているのは血液です。血流がよくなれば全身の隅々の細胞まで酸素や栄養、ホルモン、免疫細胞などが送り届けられ、そして二酸化炭素や老廃物が運び出されるからです。つまり老化するというのは、血流が悪くなって体が冷たくなってゆくという側面もあるのです。
人の老化の始まりは血管からであって、血流が悪くなって老化するのです。それがガン、糖尿病、循環器系疾患、脳疾患、肝疾患、腎疾患、肺疾患、婦人科系疾患、不妊症…などにつながるのです。