• 腸内環境-温熱-食事療法-腸活-温活に取り組み30年以上 グリーンポプリ株式会社代表後藤洋のブログ 理想的な腸内フローラを目指して実践を続ける

フィーカリ菌/フィーカリバクテリウム(酪酸菌)(長寿菌)

  • Firmicutes 門
  • Clostridia 綱
  • Clostridiales 目
  • Ruminococcaceae 科

最優勢の酪酸菌

フィーカリバクテリウム属(フィーカリ菌、フェカリ菌、フェカリバクテリウム)は、ほとんどの人の腸内で検出されるうえ、個人差はあるものの数パーセントから多い人では数十パーセントもの占有率を誇る最優勢菌です。多くの人の腸内で最優勢を誇るのはバクテロイデスであって平均的に20~30パーセントを占めますが、このバクテロイデスを超える人もいるということです。とても強い菌です。

腸内において優勢を占める酪酸菌はフィーカリバクテリウム属以外に、コプロコッカス属、ロゼブリア属、ラクノスピラ属などがいますが、いたとしても数パーセント程度です。フィーカリ菌がどれだけ多いかがわかるというものです。

次世代善玉菌・酪酸菌のエース格

それだけの数がいるということは、それだけ腸内においても影響力が高いのでしょう。各種論文においても「フィーカリバクテリウム属」の名称を多く目にします。長寿者の腸内においても多くみられるということで、長寿菌と呼ばれ次世代善玉菌のエース格です。

私の腸内フローラにおけるバクテロイデスとフィーカリバクテリウムの占有順位の推移 ポプリ健康法
私の腸内フローラにおけるバクテロイデスとフィーカリバクテリウムの占有順位の推移 ポプリ健康法

私の腸内フローラにおいて常時、占有率1位を占めているのは、バクテロイデス属です。バクテロイデスが減った時には、入れ替わりでフィーカリバクテリウムが上位に来るという構図です。長寿者の腸内フローラにおいてもバクテロイデスが少なめで、酪酸菌が多めだとういう傾向があるので、フィーカリバクテリウムが増えてバクテロイデスが減ることはよい傾向だと考えます。

フィーカリ菌の代謝産物

酢酸を消費して酪酸を産生します。腸内において酢酸は、ビフィズス菌やコリンセラ、ブラウティアなどが産み出します。これらの菌との関連性が気になります。

フィーカリ菌を増やすには?

バクテロイデテス門バクテロイデス属は≪ヤセ菌≫と呼ばれます。一方でフィーカリバクテリウムはファーミキューテス門に区分され≪デブ菌≫と呼ばれます。≪ヤセ菌≫と≪デブ菌≫との間には、どちらかが増えると一方が減るという拮抗関係があります。私の腸内においては健康食品を一生懸命飲用して、食物繊維が豊富な食養生を行えば行うほど、バクテロイデスが減ってフィーカリ菌など酪酸菌が増える傾向が確認できます。逆に不摂生をするほどバクテロイデスが増える傾向が読み取れるのです。フィーカリ菌を増やすためには、他の酪酸菌と同様に食生活から正すことが重要です。

フィーカリ菌は運動で増える

またフィーカリ菌はアスリートに多いといわれています。運動が効果があります。

フィーカリ菌と病気との関連性

  • フィーカリ菌(Faecalibacterium prausnitzii)は強力な抗炎症作用を有している。
  • IBD炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の患者さんの腸内細菌の中でフィーカリ菌(Faecalibacterium prausnitzii)を代表とする酪酸産生菌の低下がある。なかでも特にクローン病の粘液層に存在する細菌叢において、フィーカリ菌(Faecalibacterium prausnitzii)が減少している。
  • 多発性硬化症の糞便中でフィーカリ菌(Faecalibacterium prausnitzii)が減少している。
  • ラクノスピラ科の各細菌、ならびにフィーカリバクテリウム属、ディアリスター(Dialister)属はアトピーのリスク低下と関連する
  • うつ病と腸内細菌叢との関連を解析した結果、フィーカリバクテリウム属とコプロコッカス属細菌はより高い生活の質の指標と一貫して関連していた。