私は2020年10月に腸内フローラ検査を行いました。その中でとても興味深いことに気が付きました。第7位にalbertii(アルベルティ)菌という菌がいたのです。調べると食中毒をおこす菌だということでした。その後の検査では全く検出されていないので、たまたま入り込んだ菌なのでしょう。それにしても4.47%とは、順位も7位ですからとても大きい数です。よく増殖しなかったものです。この菌で検索すると平成28年7月に自衛隊の食中毒事件がでてきて、400人中154人に下痢、嘔吐、腹痛、発熱等の食中毒症状があったそうです。
でも不思議なことに私には全く自覚症状がありませんでした。
≪下痢だ、腹痛だ、発熱だ≫とわざわざ調子が悪い時に採便するはずもなく
むしろ採便したときは好調で何の自覚症状もありませんでした
当然良いフローラを期待して便を送るわけです
悪いものを食べた記憶もなく食中毒菌が入り込むとは!
当時私の腸内細菌の中では、ビフィズス菌が約18%と最優勢でした。その他優勢を占める菌も酪酸、酢酸、乳酸といった、広義でいうところの≪短鎖脂肪酸≫を産生する菌達だったのです。
というわけで私の腸内にビフィズス菌が約18%もいたから、彼らが活躍して感染防御してくれたのか?。それとも、酪酸・酢酸・乳酸産生菌も多くを占めていたので、そのことも含めた全体的な腸内フローラの力で食中毒菌が抑え込まれてしまったのか?。何年も前に私が配布させていただいた資料の中で、「食中毒菌が入り込んだとしても腸内フローラがよければ感染しにくい。」という文章を記したことがあります。でもそれは実際に自分が体験したわけではなく、書籍から得た机上理論に過ぎませんでした。ただ今回まさか自分のお腹でそれを実証することになるとは、思いもよりませんでした。食中毒菌が入り込んだとしても、腸内フローラにいる細菌によって感染が抑えられることがあるのです。腸内フローラの可能性を、あらためて感じた次第です。