バクテロイデスは「ヤセ菌」と呼ばれていますから、バクテロイデスを増やしたいという方は多いと思います。その一方でファーミキューテス門の細菌は「デブ菌」と呼ばれるため、デブ菌を減らそうと思っている方も多いでしょう。
まるでバクテロイデス(ヤセ菌)が善玉菌でファーミキューテス(デブ菌)が悪玉菌かの印象を持ってしまいます。その実、バクテロイデス(ヤセ菌)は日和見菌であり、腐敗物質も産生するので必ずしも良い菌だといえません。
一方でファーミキューテス門は(デブ菌)と不名誉な呼ばれ方をされながらも、【乳酸菌(ラクトバチルス、ラクトコッカス、エンテロコッカス、バチルス…)】、【酪酸菌(フィーカリバクテリウム、コプロコッカス、ロゼブリア、ラクノスピラ、クロストリジウム、ブチリシコッカス、アナエロスティペス…)】、【その他の短鎖脂肪酸産生菌(ブラウティア、ディアリスター…)】など、多くの有用菌を抱えたスター軍団といえます。
むしろ健康長寿のためには積極的に増やしたい腸内細菌なのです。
腸内細菌研究の権威である辨野義己先生の書籍において、奄美や鹿児島の長寿者の腸内ではビフィズス菌や酪酸菌(デブ菌)が多いことが指摘されています。このことは長寿者の腸内には、アクチノバクテリア門(善玉菌)とファーミキューテス門(デブ菌)が多いことを意味します。
また「京丹後長寿コホート研究」でも京丹後市の長寿者の腸内にはファーミキューテス門(デブ菌)が多く、バクテロイデテス門(ヤセ菌)が少ない。ラクノスピラ科の酪酸菌(デブ菌)が多いことに言及されています。
つまり長寿者の腸内においてはヤセ菌(バクテロイデテス門)が少なくて、デブ菌(ファーミキューテス門)が多いという点で一致しています。
です。
私の腸内フローラでは常にヤセ菌(バクテロイデテス門)が少なく、デブ菌(ファーミキューテス門)が多い状態です。多い時にはデブ菌(ファーミキューテス門)が70%近くを占めます。
このグラフで注目の部分は、デブ菌(ファーミキューテス門)が増えるとヤセ菌(バクテロイデテス門)が減っている点です。期間でいうと2021年10月15日から11月30日までです。このときバクテロイデスが最低値を記録しています。
バクテロイデスが激減した理由は、善玉菌が激増したからです。バクテロイデスと善玉菌との間には逆相関がみられます。
バクテロイデスとビフィズス菌との逆相関はきれいですね。
さらにバクテロイデスの推移と、【ビフィズス菌+酪酸菌(フィーカリバクテリウム、コプロコッカス、ロゼブリア、ラクノスピラ、クロストリジウム、ブチリシコッカス、アナエロスティペスの7種類の合計)合算】の推移をグラフにしました。より一層逆相関がきれいになってきました。
さらにビフィズス菌+酪酸菌にコリンセラを加えて比べてみると、より一層綺麗な逆相関となりました。
私の腸内フローラ検査の推移をみると、バクテロイデスが増えるとその一方でビフィズス菌(アクチノバクテリア門・善玉菌)、コリンセラ(アクチノバクテリア門・善玉菌)、酪酸菌(ファーミキューテス門・デブ菌)が減ることが見てとれます。
私の腸内フローラにおいては腸内環境が悪化傾向のときにバクテロイデスが増える傾向がみられ、腸内環境が良化傾向のときにはバクテロイデスが減ってその分、ビフィズス菌やコリンセラ、酪酸菌が増える傾向にあります。
またバクテロイデスが減った時に私の腸内フローラにおいて上位を占める細菌たちは、フィーカリバクテリウムやビフィズス菌、ラクノスピラ科の細菌たちです。このことは辨野義己先生の書籍に記述がある長寿者の腸内フローラの内容や、「京丹後長寿コホート研究」における長寿者の腸内フローラの内容に近いといえます。
私が追及したいのは長寿者の腸内フローラであるから、ビフィズス菌や酪酸菌を捨ててまでバクテロイデスは要らないかな。