「野菜が不足しているからそれを補うために青汁を飲んでいる。」という方がいらっしゃいますが、私の考えでは青汁というのは、野菜の代わりにはなりません。
私自身幼少期からグリーンマグマという青汁を飲んできて、青汁に親しんできましたから、何ら青汁を否定するつもりはありませんが、野菜の代わりになるか、野菜不足を補うほどの力があるかと聞かれると、ならないと言わざるを得ません。
青汁には大まかに、(1)成分を抽出してそれをデキストリンなどの粉末にのせてフリーズドライにしたタイプと、(2)葉っぱを乾燥させてそれを粉砕しただけの青汁とがあります。
ビタミンやポリフェノール、クロロフィルなどの栄養成分に恵まれたのは、(1)のタイプです。成分抽出を行ってそれなりに手間がかかるので、コストも高くなります。
一方で(2)の青汁は乾燥葉をただ単に粉末化しただけなので手間がかからずコストも安いです。ビタミンやポリフェノール、クロロフィルなど栄養成分から見ると、(1)に劣ります。そのためそれをごまかすために、原材料にビタミンCや、B1、B2などの合成成分を、後から添加するのは常套手段です。よくビタミンCがトマトの100倍とかうたっていますね。そりゃ合成ビタミンCなんてただのように安いですから、後付けで添加すればトマトの10000倍でも可能ですよね。
だから私は昔は(1)の成分抽出タイプの青汁のほうが栄養豊富で良い青汁だと思っていたんですね。ところが最近はその考え方も変わってきたんです。というのも日本人の野菜の摂取量が減少するとともに減ってきたのは、食物繊維の摂取量です。それと同時にウンチの量も減ってきているのです。それは腸内環境が悪くなっている証拠です。腸内環境をよくするためには、何より「食物繊維」が必要なのですね。
確かに私自身の体験として、野菜を沢山食べていればウンチもモリモリ出ますしウンチも臭くありません。ところが野菜を食べずに野菜の代わりにとかいって青汁を飲んでいても、よいウンチが出ることはありません。青汁では野菜の代わりにはならないのです。青汁では食物繊維が不足しているのです。野菜の栄養が摂れたとしても、腸内細菌は育たないのです。これが青汁は野菜不足の代わりにならないということ。、強いて言うならば(2)の乾燥葉を粉末にした青汁のほうが食物繊維まで入っている分、まだ野菜不足の代わりになるのかなと思います。野菜を補いたいのであれば、野菜を野菜・果実全体が入っているスムージーが理想的なのでしょう。
「食物繊維配合」と言って「難消化性デキストリン」をブレンドしている青汁もありますが、それだけではとてもとても食物繊維の代わりにはなりません。本来の植物・野菜・果実・キノコ等であれば、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、アラビノキシラン、βーグルカン、ペクチン、各種ガム(グアガム、アラビアガムなど)など、様々な食物繊維が入っています。難消化性デキストリンだけを摂り入れたところで、食物繊維不足には変わりありません。
ただこれまで「野菜不足を補うなら」という観点から見てまいりましたが、ビタミンやポリフェノール、クロロフィルなどの栄養成分を摂るというのも青汁の良さだと思います。その場合(1)の青汁のほうがよいですから目的に応じて使い分ければよいと思います。