是非とも温めていただきたいポイントをご紹介いたします。
今回は「腎」または「腎臓」です。
「腎臓」って意外に知られていないかもしれませんが、その重要性を是非ともお伝えしておきたいです。私の父も最終的に腎盂がんを患い他界いたしましたので、腎臓を大切にしてほしいと思います。
まず腎臓というのは血液をろ過して綺麗にしています。浄水器と同じです。つまりここが機能しなくなったら血液が汚れてしまいます。最終的には尿毒症になり死に至ります。血圧も調整しています。高血圧の方で腎臓を温めただけで血圧が下がったという方も知っています。
そして腎臓の上には副腎が乗っかっています。副腎はホルモンを分泌する重要な器官です。副腎の機能が低下するとホルモンが分泌できずに「副腎疲労」という状態になります。ストレスの多い現代社会では、いつもだるい、いつもやる気が出ない、朝起きられないといった症状を呈する「副腎疲労」の方がすごく多いのです。そしてこの副腎疲労は、小腸の不調であるSIBOとも関係が深いです。私はこのように副腎と小腸のケアこそ多くの現代人にとって大切なのではないかなと思っております。
西洋医学における腎臓と全く同じではありませんが、似た概念として「腎」という概念があります。中国漢方で「腎」は、生命力の要とされています。生命エネルギーを蓄えている場所です。生命力が失われてゆくと、老化につながります。ですから腎が消耗すると、疲れやすい、冷える、歯・骨がもろくなる、膝・腰が弱くなる、白髪になる、髪の毛が抜ける、精力が弱くなる、耳が悪くなるなどの症状が現れます。老化現象です。
腎臓は血液をろ過する浄水器です。一度に大量の血液を処理するためには、血管の表面積が広いほど処理能力が高くなります。そのためどの臓器よりも細かい毛細血管で埋め尽くされた臓器が腎臓ということになります。
そのため血管が老化して傷つくことこそ、腎臓を最も弱らせる原因となります。血管が傷ついて詰まってしまい、血流が悪くなると、血液をろ過できなくなるのです。ですから腎臓はよい血流を常に保っていたい臓器だと理解されるとよいと思います。
腎性高血圧というものがあるくらい、腎臓と血圧は関連性が高いものです。糖尿病の合併症として、高血圧が挙げられます。糖尿病というのは過剰な糖によって血管がもろくなる病気と、理解するのがベストです。つまり糖尿病によって血管がもろくなる、血管がもろくなるから腎臓の機能が低下して高血圧になる、という一連の流れが見えてきます。
このようにセルフケアを上手に行うためには、この病気に至る流れを全体像としてイメージできるかどうかが大切です。
私は「腎臓こそよい血流を常に保っていたい臓器の第一に挙げたい!。」と考えます。血流が悪くなると血液をろ過するという、本来の仕事ができないからです。だからこそ腎臓は冷えにはとても弱い臓器だと考えるのです。
腎臓が冷えて縮こまってしまうと血流が悪くなります。そうすると腎臓が十分に機能できない。だから腰が冷えると、頻繁におしっこに行きたくなるでしょ。腰が冷えている方は、夜間頻尿の一因にもなりますね。腎臓が温まると排尿関係が正常に戻ります。
それに中国医学でいうところに「腎」には「腎臓」および「副腎」も含まれているのです。中国医学では「腎」が弱くなると、歯・骨がもろくなる、膝・腰が弱くなる、白髪になる、髪の毛が抜ける、精力が弱くなると言われています。漢方薬で精力増強、滋養強壮で知られている、冬虫夏草や鹿の角、オットセイの睾丸、タツノオトシゴ、イカリソウなどは、「腎」のエネルギーを高める生薬なのです。不妊症なども腎臓のケアは必須です。
腎臓は上半身の真ん中あたり、両腕をダランと垂らして丁度ひじの高さあたり、背骨の両側にあります。
副腎は腎臓の上に乗っています。この辺りを温めてください。