ポプリ食養生
中国薬膳3/中国漢方による食品の性質について
食品にも性質があります
次に食品を見てみましょう
食品の効用はどうやって分類されるか?
その基準は?
中国医学的な食品の性質判断基準には3つあります
1.五性
2.五味
3.帰経
食物の五性(四氣)について
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ニンニク | ナス |
陽性 | 陰性 |
ポカポカ | 冷える |
ニンニクを食べると、体がポカポカしてきますね、これはニンニクが温性の食べ物だからです。
スイカを食べると、トイレが近くなり、体が冷えてきますね。これはスイカが涼性の食べ物だからです。
食品を五性(四氣)で分類してみましょう

五性 | 説明 |
熱性 | 体を急激に温める(陽性) |
温性 | 体を温める。(陽性) |
平性 | 体を温めすぎたり、冷やしすぎたりすることがない。(中庸) |
涼性 | 体を冷やす(陰性) |
寒性 | 体を急激に冷やす。(陰性) |
中国医学というのは、長い間の経験則から成り立っています。データ蓄積の集大成です。「これを食べたらこうなった」という具合です。この経験則と言うのは、「実に信頼性のあるものだ。」と思います。科学のように、「フラボノイド、サポニン、ポリフェーノールがどういう作用をする」なんてことを細かく分析したりする訳ではないですけれども、結果的にそうなっているのですから。「経験とデータの集積というのは、非常に力のあることだ。」と思います。
例えば唐辛子は中国薬膳では、体を温める作用をする食べ物です。寒い時に唐辛子を食べると温まりますし、足の裏なんかに敷いても体がポカポカしてきますよね。これは科学的に研究していくと“カプサイシン”という辛味物質が含まれていて、それが体を温める事がわかってきたんですね。科学や西洋医学というのは中医学に比べるとつい最近の出来事です。そういったことが大昔に判っていたんですから。
五味について
食品の味が及ぼす作用
こちらは後述しますが、食品によって甘かったり、辛かったり、酸っぱかったりしますよね。中国薬膳ではこの味に関しても効用を見出しています。その食べる物の味によっても食品を選びます。
食品の味を決めるのは、クエン酸だったり、カフェインだったり、タンニンだったり、それに含まれる成分です。そして最近これら様々な成分に関して、人間に対して機能性があることが認められていますから、中国薬膳のような味の種類が人間に作用すると言うのは、正しかったことが判ります。
酸味は体を引き締める事となりますが、これはなんとなくイメージすることは出来ますよね。サバやアジやマスなんかは酢でしめますよね。これは栄養学的に言えば、蛋白質の変性を狙った物なんですけれども。でも人間の体が酢じめになるのかどうか?
甘味は脾・胃を滋養し、緊張を緩めたりします。これはよく理解できますよね。例えばストレスがかかった時なんかに、甘い物が欲しくなりませんか。それで甘い物を食べたら緊張が緩んで満足して。だから結構、甘い物好きの人って、ストレスや、繊細で胃腸が弱い人が多いんですよね。
帰経について
その食品がどの部位に良いか?
後述しますが、中国薬膳では、“帰経”という尺度もあります。皆さんは“経絡(けいらく)”という言葉を聞いた事があるでしょうか?例えば手の“陽明大腸経”とか。経絡なんて言葉を聞いた事がなくても、“ツボ”は聞いた事があるでしょう。針を刺したり、お灸をしたりする有効なポイントですね。このツボは経絡に沿って存在するんですよ。経絡は体の諸器官をつなぐ物であり、気血陰陽の通り道だとされています。
経絡には、膀胱経、肝経、脾経等、臓器に対応した物がありますが、帰経とは、「その食品がどの経絡に入ってゆくか?」つまり、「どこに良い食べ物なのか?」と言い換えることも出来るのですね。
以上、中国医学的な食品の性質分類には、3つの見方があることがわかりました。
①五性(四氣) ②五味 ③帰経 の3つですね
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