ポプリ食養生/陰陽とは詳説?
中国医学(漢方)による見方
人にも食品にも、事物には全て性質があります。中国医学をはじめとした東洋医学では、双方の性質を見ながらバランスをとるのです。アナログではなくデジタルの双方向なのです。
陰陽五行論
性質を見るということは、何らかの形で分類しないといけないわけですね。
その分類方法には、中国医学(漢方、中国薬膳)では
①陰陽論
②五行論
という2つの考え方の骨子があります。これに当てはめて、分類して行きます。「陰陽」と言う言葉はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
【性質を知ろう】
まず最初に、人も食品も様々な性質に分類することが出来ます。人も冷え性の人や、汗っかきの人、様々ですね。食品もそうです。唐辛子のように辛くて、食べた瞬間に体が熱くなるものや、スイカのように食べると尿が良く出て、体が冷えてしまうもの。そして人や、食品だけでなく、火でも、木でも、水でも地球上に存在するものは全てこれらの性質に分類することが出来るのです。
陽(熱・温性) | 陰(寒・涼性) |
![]() |
![]() |
体を温めます | 体を冷やします |
中国医学(漢方)や、マクロビオティック、食養などの東洋医学では、まず人とそれから食品の性質を考えて相性を考えて使い分けることをしなくてはなりません。
陰陽論
この性質の中で、一番大まかに分類できるのが「陰陽」という概念になります。
一番基本的な属性です。陰と陽の2つに当てはめ、その相互関係をみるのです。
五行論
中国医学(漢方、薬膳)では、5つの性質に当てはめて考える見方もあります。
木・火・土・金・水
の5つの性質に分けて、その相互関係を見るのです。
陰陽とは何でしょう?
●日光に向かっている面が「陽」
●日光に背を向けている面が「陰」です
という概念に全ての物を当てはめて分類してゆくのです。
ということは
日光に向かっているということは
明るい部分が「陽」
日光は暖かいですよね。
温かいことも「陽」なのですね。
逆に、日光に背を向けているということは、影ですよね。
影は「陰」です。
影は寒いですよね。寒いことも「陰」です。
日があたっているということは昼ですね。昼は「陽」です。
昼と言えば太陽ですね。温かいイメージもしてきますね。太陽は「陽」です。
逆に日が当たっていないということは「夜」ですね。夜は「陰」です。
夜と言えば月ですね。冷たいイメージが湧いてきますね。月は「陰」です。
季節では、春・夏は「陽」
秋・冬は「陰」です。
陰陽の特徴
これらの事を見ていると、陰陽というのは常に対立した概念です。
それと同時に陰陽は対立したもう一方がなければ存在できないですから、依存関係にもありますし、「陰陽消長」、「陰陽転化」という法則があります。
中国医学による陰陽
下は、中国医学(漢方)の陰陽に従った分類表です。
注意点として、マクロビオティック(玄米菜食)や食養などの東洋医学の陰陽とは異なる点があるので注意して下さい。
陰陽表
陰 | 陽 |
月 | 日 |
地 | 天 |
秋 冬 | 春 夏 |
夜 | 昼 |
寒 涼 | 温 熱 |
西 北 | 東 南 |
血 | 気 |
臓 | 腑 |
深 | 表 |
腹 | 背 |
抑制 | 興奮 |
虚 | 実 |
裏 | 表 |
下半身 | 上半身 |
左 | 右 |
このような概念に従って、全ての事物を分類できます。
人の性質も、食材の性質も一番大まかに分けると、陰・陽を利用して分ける事が出来ます。
陰陽は実際には混沌としている
もちろん同じ陽性であっても、物凄く陽が強い人もいれば、陰が弱かったためにたまたま陽が強く感じられるだけという弱い陽性の場合もあり、陰陽が複雑に交じり合っています。また陰陽のバランスがとれている、中庸という場合もあるので、実際には2タイプどころか無限のタイプに分けられます。しかしここでは一番基本となる、陰陽だけを覚えて下さい。