善玉菌と悪玉菌
腸内細菌
善玉菌と悪玉菌ってどこで見分けるの?
腸内細菌は
(1)善玉菌(良い働きをする)
(2)悪玉菌(悪い働きをする)
(3)日和見菌(どちらにもなりうる)
とに分けられることがわかりました。それはどのような基準で分けられるのでしょうか?
それは細菌が腸内で私たちにとって良い作用をするか悪い作用をするか、どちらもありうるかということで便宜的に分けています。私たちの都合で一方的に分類しているのですね。
乳酸菌は私たちの健康に役立つから善玉菌
大腸菌O-157は私たちに悪い作用をするから悪玉菌
と言った具合に。
その作用の一つが細菌が生み出す物質=代謝産物にあります。
代謝産物をせっせと生み出す
ヒトだってウンチも出せば、おしっこも出す
代謝産物を出しているのだ
私たちも食事を食べれば、ウンチやおしっこを出しますよね。
お米や肉、魚を食べて、分解消化して、代謝した結果出た産物を、尿や便として排出しているのですね。
細菌だって同じです。何かを食べて代謝して、最終産物を出しているのですね。自分の周りのものを分解するために、「酵素」を分泌することもありますよ。
これを「代謝産物」と言うんです。
善玉菌と悪玉菌
菌によっては酢酸を作り出したり、アミノ酸を作り出したり、
アンモニアを作り出したり、有害アミンを作り出したり、
乳酸菌は乳酸を分泌するので、「乳酸菌」というのですが、
腸の中で乳酸が増えると腸の中が酸性に傾いて、酸性に傾くと悪玉菌が住みにくい環境になってしまうんですね。ということで乳酸菌が増えると悪玉菌の増殖を抑える働きをしてくれるので、乳酸菌は善玉菌と言われているのです。
一方で一部の大腸菌、ウエルシュ菌、ブドウ球菌などは人にとって有害なアミンやアンモニアを作り出したりして、腸内腐敗を誘発し、腸炎や腹痛、下痢などの元となるため「悪玉菌」と呼ばれているのですね。
善玉菌も悪玉菌も支えあって生きている
ただしひとたび免疫という立場から悪玉菌を見た場合、本当に悪玉菌が悪玉であり、私たちにとって害悪なのか否かはわかったものではありません。
私たちには、免疫機能が備わっています。免疫というのは自己と非自己を見極め非自己を攻撃排除しようとする働きのことです。
例えば肌の粘膜はウイルスなど自分ではない輩の体内への侵入を防ぐ役割をしています。仮に血中に悪い菌が入ってしまったとしても、非自己と認められれば白血球によって殺され排除されてしまいます。もし腸内に悪い細菌が入ったとしても、私たちの仲間である腸内細菌たちに排除されてしまいます。
ところがどうでしょう?
悪玉菌は免疫から排除されることなく、私たちの体内に受け入れられているからこそ存在しているのです。非自己ではなく、自己として認められている。私たちの仲間だと認められているのです。
悪いなりに受け入れられている。
これって私たちの社会によく似ていませんか?
善玉菌を増やして悪玉菌を抑える
そうは言いましたが、悪玉菌が多いと有害物を産生し、腸内腐敗を引き起こし私たちの健康・美容上悪影響を与えることは事実なので、善玉菌の比率を増やし悪玉菌の比率を下げることが重要です。悪玉菌を殺そうとしなくても、善玉菌を増やすことで自然と悪玉菌の比率は下がるのです。