• グリーンポプリ株式会社の代表 後藤 洋の考え方や情報を発信するホームページです。

玄米菜食のメリットとは1 なぜ病気になりにくいのか

はじめに

 はじめに私がこの文章を書こうと考えたのは、私自身が玄米菜食でアトピーや小児喘息などが治ったにも関わらず、玄米が嫌いでなるべくならば食べたくないということで、玄米菜食で病気になりにくくて病気がよくなりやすい理由について深く追及してきたことが一つです。

 そしてもっと大きいのは、当店のお客様は比較的病気の方が多く、特に過去(東京錦糸町に店舗があったとき)にはガンを患われている方も多くいらっしゃったことからです。その方たちの多くは病気が判明してから初めて、肉食中心の食生活だったものを突然玄米菜食に変えられていたのです。これまで肉中心の見た目華やかでおいしい食事ばかりを食べていらっしゃった方が、いきなり地味目に映る玄米菜食に変えるとなかなか食欲も進まないですし、そして玄米菜食の方法も難しいしということで、多くの悩み相談を受けていたのです。

 私自身幼少時から完全玄米菜食で、友達のウインーンーやハンバーグを横目で見ながら「僕も食べたいな。」なんて思っていた経験から、「確かにそうだよな。(私も好きではないから。)ちょっとわかりづらいし上手くできるわけないよな。」とその気持ちが痛いほどよくわかりました。そのような私だからこそ「もっと別の方法で簡単に玄米菜食のメリットが享受できたり、玄米菜食を代替するための方法がないだろうか。」と追及していてたどり着いた結果です。この方法はこのサイトをオープンした2002年には確立いたしておりました方法で、旧サイトにはアップしておりました。しかし今回20年近くを経てあらためて構成しなおして、ご紹介いたしたいと思います。

 玄米菜食を別の方法で代替するためには、どうして玄米菜食でなぜ病気になりにくいのか、そして病気が良くなりやすいのかという点をしっかりと理解していなければ代替できません。それができれば完全玄米菜食という形にこだわらなくても、これまで白米を食べていたものを主食だけ玄米に変えるとか、肉食中心だったものを肉を減らしてみるなど、様々なアプローチがあると思うのです。それだけでも効果があるのですよということをお伝えしたいのです。できる範囲の中で、食生活を変えてゆけばいいじゃないかということです。陰陽とか栄養バランスとかこだわるべきところはそこではないと思っているのです。下記の写真は最近食べた私の山菜山盛りの山菜そばです。玄米菜食ではありませんが、食物繊維が豊富で腸内細菌が大変喜ぶ食事です。

山菜山盛りの山菜そば

蛋白質的に見てみると

 玄米菜食のメリットって何でしょうか?栄養素ですか?栄養素とは言ってもタンパク質的に考えると、動物性タンパク質と植物性タンパク質とでは、アミノ酸組成が異なります。動物からしか得られないアミノ酸もあれば、植物からしか得られないアミノ酸もあります。動物性食品を食べないということは、アミノ酸的には偏りが出てしまいます。もちろん逆も然りで、肉しか食べない人でも同じことです。むしろタンパク質的には玄米菜食の場合、タンパク質の全量を玄米から補えるわけでもなく上手に豆類や種実類を摂り入れなければ不足しやすいですから、玄米菜食はタンパク質不足に陥る危険性すらはらんでいるのです。それにタンパク質不足は免疫力などに関わってくるものの、タンパク質を摂ると病気にならないとか病気が治るということはほとんど論じられていません。タンパク質は窒素を含んだ化合物であり元々毒素になりやすい危険性を帯びた物質で、発がん物質も誘導されやすい物質です。タンパク質のポジション的には病気にならない病気が治るという切り札にはならないのです。健康長寿のためには幅広く良質なタンパク質を不足しない程度に摂取していれば問題ないと考えませ。その意味で私は適度な植物由来だけでなく、動物性食品の摂取は必要だと考えております。

脂肪

 次に脂肪です。動物性食品は植物よりも脂の含有量がとても多いですから、常に脂肪は過剰摂取気味になります。一方植物にはあまり油脂が含まれていませんから、どちらかというと玄米菜食(穀物菜食)の場合脂質不足になりやすいのです。しかしながら過剰な脂肪の体内蓄積は、老化や病気にとって最も影響力のある酸化害の温床となりますから脂肪を摂りすぎる動物食よりも玄米菜食(穀物菜食)のほうが長寿食であるといえます。玄米菜食による大きなメリットは、脂肪と酸化という点に見出すことができます。

 また牛脂、サフラワー油、えごま油などの油脂は、オレイン酸、リノール酸といった脂肪酸の組み合わせによって融点や酸化の度合いなどの性質が変わってきます。動物性の油と植物性の油とでは脂肪酸組成がことなりますので、肉ばかり食べている人と植物ばかり食べている人とでは、摂取している脂肪酸の組成が異なることとなります。動物性油と植物性油とで融点(油が液体になる温度)を比較すると、肉、卵、乳などの動物性油は高温で、魚油や植物性油は低温になります。つまり肉などの油は低温では塊になりやすく、血液がドロドロになりやすいのです。一方で魚油や植物性油はサラサラ流れやすいので、この点でも玄米菜食は優れている考えます。ただしこの点に関しては玄米に限らず玄米以外の穀物菜食でもよいということになります。そして牛、豚、鳥などと魚とでは油の質が全く異なりますので、これらを動物性食品ということで一括りにすること自体に無理があります。DHA・EPAといった魚にしか含まれない油もありますから、完全に植物だけに頼るというのはよくないのではないかと思います。ここでも私は完全玄米菜食という形式には否定的です。ですが脂質の摂取という面において明らかなメリットを見出すことができました。病気にならない病気を治すためには、脂質との上手な付き合い方が大切なのです。

ビタミンB1不足についてよく指摘される

 玄米がよい理由として真っ先に挙げられるのが、ビタミンB1の補給についてです。玄米が良いという論拠として明治以降人々が玄米から白米を食べるようになってから、ビタミンB1が不足して「脚気」が流行ったという例が必ずとりあげられます。

玄米と白米

 上記の写真は左側が玄米で右側が白米ですが、白米というのは玄米から糠と胚芽を取り除いたお米です。白米の栄養素は玄米と比べてビタミンでは、ビタミンE、B1、B6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸など、ミネラルではリン、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウムに至るまですべてが大幅減です。それでいてエネルギー(熱量)だけは玄米以上にあります。つまり白米というのはデンプンという糖分ばかりで、ほとんど栄養的に価値のないものという印象です。玄米から白米を食べるようになってから栄養不足となり、脚気が流行る理由付けにはなります。

それだけでは玄米を食べないといけないという理由付けにはならない

 また確かにその通りなのですが、でもそれが「何が何でも玄米を食べないといけないという論拠にはならない。」と私は考えるのです。確かに戦前であればビタミンB1が不足して脚気も流行ったでしょうが、現代では肉から魚から野菜から果実まで何でも食べることができるのです。紅サケ1切れ(80g)食べれば、玄米ご飯お茶碗1杯分以上のビタミンB1を摂取できるのですから、「ビタミンB1が不足して~」なんて何の理由にもならないでしょう。その他の栄養素にしてもたいがい同じ事が言えます。それにビタミンなど腸内細菌が腸内で生産しているわけですし、マルチビタミンを毎日摂っていたとしても病気が治って長生きできる要素にもなりえないでしょう。ビタミン類の豊富さは、玄米をたべて病気にならない理由にはなりえないでしょう。

ファトケミカル類

 そして植物固有の栄養素としてファイトケミカル(フィトケミカル)が挙げられます。ファイトケミカルというのは、皆さんよく耳にすると思うのですけれども、ポリフェノールとかフラボノイドとか、テルペノイド、サポニンなどという植物由来の栄養素のことをいいます。こうした物質には、抗酸化作用であったり、抗ガン作用だったり色々とよい働きがあるのです。ですからこれは正しく玄米菜食を行うメリットでしょう。ただこれは野菜・果実を多く摂取すれば、何も玄米を食べなくてもよい訳で、穀物菜食であれば十分目的を達すると言えます。

 ここまでを考えると玄米を食べることで病気にならなかったり治ったり、そこまで良いと言えるような論拠が脂質以外の面で見出せませんでした。ところが今となっては玄米を食べると病気にならない病気がよくなる私なりの理由がハッキリとわかったのです。それを数回にわたってお伝えさせていただきます。

次回に続きます