ネギ属 ユリ科

ニラの花(花期 夏)
- 漢方名
- 韮菜
- 五味
- 辛
- 五性
- 温
- 帰経
- 肝、胃、腎
実に栄養豊富で
実に薬効の高いニラ
韮は実に薬効の高い野菜です
補気・強壮・利尿
ニラは実に薬効の高い野菜です。中国漢方でも、漢方薬としてニラの種(韮子)が使用されます。気力をつける補気薬・強壮薬としての役目と、利尿作用で、泌尿器系疾患にです。ニラと豊富な栄養成分
栄養学的には、五訂食品成分表に記載のある栄養成分中で、ニラが全食品の平均値を上回っている成分は、ビタミンA、ビタミンE、カリウムです。食物繊維も平均値に近い数値が出ています。全野菜と比較してみても、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB2、亜鉛、マンガンはトップクラスの含有量を誇ります。実に栄養豊富な野菜です。
ビタミンB2は成長と脂質代謝にかかわる重要なビタミンです。ビタミンB2は動物性食品に多く含まれており、玄米菜食の方は不足しないように要注意です。
ニラの薬効の根拠はここだ
その他の成分として、アルカロイド、サポニン、アリル化合物が含まれます。 サポニンは朝鮮人参、田七人参、エゾウコギなどに代表される強壮成分です。 アリル化合物は、ネギやタマネギ、ニンニクに含まれる有効成分です。アルカロイド系の化合物は、多くの漢方生薬の薬効成分となっている、 強力な成分です。つまりニラには薬効の高い成分が多数ふまれているのです。多食し過ぎると下痢する恐れがありますので、ほどほどに。アレルギーの方も多食は避けてください。硫化アリルは揮発性で、水溶性ですから、調理する際には手早くして下さい。
中国漢方的に辛温性で刺激の強いニラ
中国漢方的にみると、ニラは辛味で温性ですから、その陽性度は高い物です。唐辛子(熱)、ネギ、カラシ、紫蘇、胡椒(熱)、タマネギ、生姜、ニンニク、ラッキョウ、ノビル、ウイキョウなどが辛温性の野菜ですが、 どちらかというとスパイスと呼ばれる強烈な薬効を持った植物がほとんどなのです。つまり刺激が強いですから、その摂取方には注意が必要です。
ニラは陽性
ニラは温性の食べ物で胃腸を温めて、血液を造って血液循環を良くしてくれます。また生命力の根本的な臓器である腎臓を滋養してくれますから、虚弱でスタミナが無い場合には役に立ちます。貧血で青白い顔をしている人は
ニンニク等とともに根本的に体力をつけてくれる食べ物です。貧血・冷え性等で青白い顔をしている人などは、根本的に胃腸の消化吸収能力が悪く、 血液を造る能力に劣っているわけですから、体を温めて、滋養することは大変良いのです。ニラのつき汁を10~20cc飲むと、慢性胃炎に良いです。